紙オムツバラ撒き事件

初めての育児が始まり2ヶ月半。
我が子の成長を楽しむ余裕も出てきたが、2ヶ月半のうちに溜め込んだなんかよくわからんイライラも爆発。
それが今日未明発生した『紙オムツバラ撒き事件』へと発展するのである。

まずこの被害に遭ったA社製紙オムツは完全なる被害者であり、なんの落ち度もない。
ただ、合わなかった。
我が子の体型やらウンチの質やらなんやら、とにかく合わなかったのだ。
新生児の頃は「A社製紙オムツまじ卍。最高超えてる。」とA社製紙オムツに全幅の信頼を寄せていた。
しかしSサイズに変えた際に起こる惨劇。
そう、ウンチ漏れである。
新生児用とSサイズの狭間なのかなんなのか、体型にフィットしていないようで、A社製紙オムツの形状では我が子の背中漏れは防げないようだった。
背中漏れの後始末は育児疲れ&睡眠不足の身にはかなりこたえるので解決策を調べたところ、背中漏れ防止に特化したB社製紙オムツを使用することで解決した。
紙オムツの背中部分に母乳パッドを貼るというメチャクチャ有益な情報も仕入れ、残ったA社製紙オムツも無駄にならずに心安らかに使いきることができた。
そこで今回の事件の発端となるある出来事が起きた。
なんと義実家からA社製紙オムツが届けられたのである。
義両親はどこにでもいる善良な人間である。
しかし推し(我が子/孫)に対する解釈違いに私は悩まされていた。
解釈違いや地雷といえど、100%の善意に文句を付けるなんてことはできない。服やらおもちゃやらは義両親に会うとき限定で使ってますアピールすればいいかー、使ってみたら意外とイケるかもしれんしなー、とありがたく頂戴してきたが、紙オムツは難しい。
背中漏れの後始末が面倒なんでこれ使えんのですわ~と正直に言える人間だったらよかったのだが、私は黙ってこのA社製紙オムツを使いきることにした。家にいるときはA社製、お出かけや夜間おやすみ時はB社製、と使い分けることにして。
ちなみに母乳パッド貼り付け術は今回は行わなかった。
前回は頻回だったウンチも一日に1~2回とまとめてするようになり、おしっこだけの割合が高いのに毎回母乳パッドを消費するのはちょっと……という気持ちと、あの頃より体も大きくなってフィットしてる気もしないでもないし、ウンチしてすぐ換えれば漏れないだろうという油断からだ。
そして最初の事件が起こる。
うっかりA社製紙オムツのままお出かけしてしまい、盛大に漏れた。凄い漏れ様だったが横漏れだったこともあり「たまたま」だということで処理された。
それから少し経った昨日、久々の背中漏れ発生。
抱っこの体勢が悪かったのかもと反省。
そして今日未明に最後の背中漏れが起きる。
昨日に続けての背中漏れ。しかも夫とちょっとしたことで口論した後。前日の睡眠時間は2時間。現在AM4時。この授乳が終われば22時間ぶりに睡眠が取れるという状況下で起こった。
泣きながらオムツ交換し、服を着替えさせ、汚れた服やタオル類を手洗いした後、怒りがこみ上げてきた。
この紙オムツさえなければ……。
怒りに身を任せ紙オムツを袋ごと床に叩きつける。
それを拾い、中身を引きずり出し部屋中にバラ撒く。

もうこの紙オムツを使うものか。
そう思った瞬間メチャクチャ心が軽くなった。
なんで無理して使っていたんだろう。
オムツ交換をするのは私だ。
その私が信じる紙オムツを使えばいい。

とてもスッキリした気持ちで布団に入った。
2時間ぐっすり寝た。

ここで話を終えられれば気持ちよくまとまるが、現実というのは本当に嫌なものである。
ここまで全く触れていなかった夫の登場である。
AM6時半。別室で寝ている夫が起床し、事件現場となったリビングへやってきた。
怒鳴り声で起こされた私は「なんやこれ!」と問われるが、一から説明すると日が暮れるので「もうA社製紙オムツは使わんことにした」と結論だけ伝えた。
「早よ片付けろ!」と怒鳴り散らす夫。
普通、こんな惨状を目にしたら何か大変な事が起こったか私の頭がおかしくなったか私の頭がおかしくなったと不安になるのでは??と思ったが、不安を隠すために威圧的な態度を取るタイプっぽいので、私も煽ってくスタイルでイライラした態度を見せながら紙オムツを回収した。
そこで夫が一言。
「うちの親が買ってくれたものやぞ!」
多分熟年離婚するまで忘れない言葉のひとつとなるだろう。
「いらんのやったらいらんってお前がうちの親に言えよ!既にもう一袋買っとるぞ!」
追い討ちである。

そもそも、義母は紙オムツを買う前にこちらにサイズや銘柄を確認しろよ案件なのだが、おそらく夫に確認しているはずである。その際、夫がA社製紙オムツと答えていると推測される。
A社製紙オムツだとやっぱり背中漏れが不安と言う私に「吸水力が凄いから漏れるはずはない」と必死で擁護していたのが怪しい。
背中漏れに悩んでいること、それが解決したことは夫に伝えていたのに何故。

何故と言ったが、なんとなくわかっている。
夫はよかれと思ってやっているのだ。
A社製紙オムツは肌触りがよく、おむつかぶれしないことについては抜群の高評価なのだ。
その分割高である。
義母からの差し入れは折角なのでいつも使ってるものより良いモノの方がいいと思ったのではないかと推測する。
また夫は24時間我が子を見ている私の経験則よりネットの情報を信じることが多い。
毎日ずっと子どもを観察している私の意見を聞いてくれと言ったこともあるが、「育休取って一日中育児するのがそんなに偉いのか」と何故か聞く耳を持たない。
こういうことも言われた。
お前の母乳の量が悪いのではないか。質が悪いのではないか。カフェインを摂っているからではないか。
(もし本当にその通りだったとしても、母乳については医師や助産師以外にどうのこうの言われたくないものである。
カフェインについても珈琲は一切口にしておらず、緑茶を日に2~3杯程度飲むくらいである。)
もしかして育児に参加したいという純粋な気持ちがいつしか闇に染まり、育児において優位に立っている(立たざるを得ないだけだが……)私に嫉妬しているのかもしれない。
私の意見を蔑ろにしたり、母乳に文句を付けたりして、マウント取ろうとしているのではないだろうか。
もしそうであれば言いたい。

「ごちゃごちゃ言う前にオムツ交換できるようになれや」

そうでなくても言いたい。